個人が亡くなって49日や一周忌などには法事が行われます。
告別式やお通夜だけでなく法事の場合でも、
香典を持参するのがマナーです。
しかし、持参した香典はいつお渡しすればいいのか、
渡すタイミングが気になりますよね。
失礼にならないよう気をつけたいものです。
香典を渡すタイミングは、法要開始前がベストです。
法要が始まる前に、施主にお渡しするのが基本的なマナーとなります。
会場へ到着したら、初めに施主に挨拶をしに行きましょう。
その際に香典をお渡ししてください。
親戚などにお願いして渡してもらう、といったことはNGです。
必ず施主本人に渡してください。
注意すべき点は、香典袋をそのまま持ち歩かないことです。
バッグに入れる際も、必ず袱紗(ふくさ)に包んでおきましょう。
施主に香典をお渡しするときに袱紗から取り出す、
といった感じで大丈夫です。
渡す際の挨拶についてですが、
「心ばかりですが、仏前にお供えください」などと一言伝えます。
お通夜や告別式では、「御愁傷様です」といった言葉を使いますが、
一周忌法要などの法事には向かない言葉なので注意が必要です。
法事に集まるのは親族が中心で参列者も告別式より少ないです。
そのため、一人一人の行動も目につきやすくなっています。
香典をお渡しする際もマナー違反にならないように、
気を付けましょう。
告別式では受付に香典をお渡しする形ですが、
法事の際は施主に直接渡すのがマナーですので、
忘れないようにしましょう。
法事の香典…お札の入れ方は?中袋に裏向きに入れて上下は人物が下!
香典のお札の入れ方にも注意が必要です。
仏事だからお葬式のときと同じでしょう、と考えがちですが、
実は法事の場合は、お札の入れ方が違うんですよ。
お葬式の場合とお札の入れ方は反対になります。
これは間違えないように、気を付けなければいけません。
法事に持参する香典のお札の入れ方は、
まず中袋を裏にして、お札を裏向きにして入れます。
お札の人物は下になるようにしてください。
こうして入れることで、開けたときにお札が表向きになり、
お札の人物が下側にきます。
このようなお札の入れ方が一般的です。
複数枚の場合は、全ての向きを統一してくださいね。
お葬式の際に渡す香典は、悲しみを表すため、
裏向きになるように入れるのがマナーです。
しかし、法事の場合は悲しみよりも、
お供えをする、といった意味が込められています。
このように意味合いがそれぞれ違うため、
お札の入れ方も同じではないのです。
お札を入れた中袋ですが、糊付けする必要は特にありません。
そのままの状態でも、相手に対して失礼にはあたりませんので、
大丈夫ですよ。
中袋が無いタイプの香典袋の場合でも、
お札の向きは中袋に入れるときと同じです。
最後に外包みでていねいに包み込みましょう。
法事の香典に新札はNG!一度折り目つけて入れる&ボロボロ札も避ける!
法事の香典についてはさまざまなマナーがありますが、
中に入れるお札については決まりがあるのでしょうか。
失礼にあたらないように、くれぐれも気を付けたいものですね。
どんなお札を入れたらいいのか、ということですが、
まず新札はNGです。
お葬式もそうですが、法事の香典でも旧札を使用するのがマナーとされています。
お葬式の場合は、突然の不幸のため急いで駆けつけたので、
新札を用意する時間がなかった、という意味が込められています。
法事の場合はあらかじめ日程が決まってはいるものの、
一般的に新札はまだ歓迎されていなようです。
新札でも特に気にしない人もいれば、
非常識では?と感じる人もいるようですね。
そのため、誤解されないためにも、法事の香典も新札ではなく、
旧札を入れた方がいいでしょう。
かといって、仏様にお供えするものなので、
ボロボロなお札も失礼にあたります。
比較的新しいもので、折り目がついたものがベストです。
新札しかなくても、一度折り目を付けてから入れれば大丈夫ですよ。
法事のマナーは地域によって異なる場合もあります。
一般的には常識の範囲かな?といった場合でも、
地方によっては非常識、というようなことも考えらます。
そのため、香典には旧札を入れるのが無難といえるでしょう。
法事は香典+お供えが必要?最近は品物でなく御供物料や御仏前として!
法事に香典を持参することは一般的ですが、
お供え物も一緒に渡した方がいいのでしょうか。
最近では品物をお供えするのではなく、
御供物料や御仏前として現金を包むことが増えてきています。
香典とは違って、お供えの意味でお渡しする現金です。
香典+御供物料、または御仏前を用意するといった感じですね。
お供えの品物の代わりになります。
少し前までは、お花や食べ物、飲み物といった、
形に残らないものをお供えすることが多かったといいます。
仏壇にお花をお供えしたり、法要の際に食べ物や飲み物をお供えとして提供することで、
施主の負担を減らせるといった理由があるからです。
最近では、御供物料や御仏前に変わりつつあるものの、
地域によっては、お供えする食べ物をそれぞれ持ち寄る、
といったケースもあるようです。
お供えはどうすればいのかよく分からないといった場合は、
法事に行かれる周囲の方に聞いてみてもいいでしょう。
法事の服装…女性はスーツも可?黒でインナーも黒ならお葬式もOK!
法事に参列する際は、着ていく服装にもマナーがあるので、
気を付けなければいけません。
男性も女性も黒の服装が基本になります。
特に女性は服装の種類もいくつかのパターンがあります。
ワンピースがいいのか、パンツスタイルでもいいのか、
スーツもOKなのか…、など疑問に思いますよね。
女性の場合は、黒のワンピースにジャケット、
アンサンブル、といった組み合わせが多くみられますが、
実はスーツもOKなんですよ。
しかし、スーツの場合も色は黒です。
黒のフォーマルスーツがベストですね。
インナーの色も黒で統一しましょう。
仕事用にビジネススーツを持っているという方も、
黒であれば問題ありませんが、色の入ったものは避けましょう。
黒のフォーマルスーツにインナーも黒という服装は、
法事だけでなくお葬式にも適していますよ。
パンツスタイルのスーツでも大丈夫ですが、
スカートを履く場合は、丈の長さにも注意が必要です。
適した丈の長さは、ひざ下~くるぶしとなります。
ひざ上などの短すぎる丈はマナー違反なのでNGとされています。
スカートは短すぎないことを心掛けましょう。
そして、ストッキングの色も黒がベストです。
スーツは黒なのにストッキングの色がベージュ、
とならないように気を付けましょう。
ストッキングは柄がついているものはNGです。
黒の無地のものを選びましょう。
ほかにも、靴やバッグの色も黒にすることがマナーです。
基本的にお葬式に適した黒のフォーマルな服装であれば、
法事もOKと考えて良いでしょう。
法事の数珠の持ち方って?使わない時は房を下にして左手で持つ!
法事に参列する場合、持ち物の一つに『数珠』があります。
念仏を唱える際に必要になりますよね。
一般的に数珠はお葬式や法事の場で多く使われます。
そのため、使い慣れていないといった方の方が、
多いのではないでしょうか。
数珠の持ち方が良く分からないという方も、
たくさんいらっしゃるようです。
法事に参列した際に失礼に当たらないよう、
数珠の持ち方など、基本的なことを押さえておきましょう。
まず基本となる持ち方ですが、左手で持ちます。
使わないときも左手で持ち、房を下にした状態にしましょう。
右利きの方は、思わず利き手である右手で持ってしまわないよう、
注意してくださいね。
お坊さんがお経を唱えている間や、歩いて焼香に向かう際にも、
房を下にして左手に持ちましょう。
左手は仏様の清浄な世界、右手は私たちが住む不浄の世界、
といった意味があるようです。
そのため、左手に数珠を掛け、右手を合わせ合掌することは、
仏様が煩悩などを消してくれる、と考えられているのです。
このような説から、数珠は左手に持つと考えられています。
そして、霊前で手を合わせるときは、二種類の方法があります。
まず一つは、左手のみに輪を通して手を合わせるやり方です。
もう一つは、両手に輪を掛けて手を合わせるやり方です。
この二つの方法は、『略式数珠』といって、宗派を問わず使えます。
どの宗派でもOKですので宗派が分からない、といった場合でも、
どちらかの方法で合掌すればOKでしょう。
宗派は7種類ほどありますので、本格的な使い方は、
それぞれ異なります。
法事のマナー…焼香は手を返して額の高さまで移動し香炉の上に落とす!
お葬式や法事では、数珠を使って合掌するだけでなく、
焼香も欠かせません。
焼香は、仏様や個人に対して香を焚いて拝むことを意味します。
見様見真似で何となくやっている、
といった方も多いのではないでしょうか。
正しいマナーを覚えておけば、
法事で堂々と焼香を行うことができますので、
ぜひ覚えておきましょう。
基本的なやり方は次のとおりです。
①右手の親指・人差し指・中指を使います。
その三本の指で香を少しつまみます。
②香をつまんだら、額の高さまで持ち上げます。
③そして香を擦るようにして、香炉の上に落とします。
この動作をだいたい2~3回行います。
宗派によっては1回の場合もあります。
基本的な焼香の仕方はこのようになりますが、
行う場所によってやり方が微妙に異なります。
法事会場がイスの場合は、祭壇の前で焼香をしますので、
歩いて焼香場所まで向かう形になります。
お寺などでは正座をして焼香を行います。
また、自宅などで法事を行う場合は、
順番に回して焼香を行います。
このように法事の会場によってやり方が異なりますが、
基本的なマナーは同じなので、覚えておきましょう。
法事で食事しないで帰るのは失礼?不可ではないが事前連絡すべき!
法事の後には一般的に食事が振舞われます。
故人にまつわる思い出話をするなど、参列者が故人を偲ぶための、
法事の一つの行事でもあります。
法事後、食事はしないで帰る、といった方もおられますよね。
食事をしないで帰ることは、マナー違反ではありません。
しかし、事前に施主に連絡を入れることが大切です。
最近では仕出し弁当を取ったり、
レストランで懐石料理を用意したりと、
家で作るよりも外にお願いするケースが多いです。
そのため、施主は法事の出席人数を前もって把握し、
予約を入れておかなければいけません。
当日急に食事ができなくなったと言われたら、
用意する側にも迷惑をお掛けすることになります。
そのため食事を欠席する際は、
なるべく早めに連絡を入れるようにしましょう。
まとめ
法事に持参する香典は、施主に直接渡します。
渡すタイミングは法要が始まる前です。
香典のお札の入れ方は、中袋を裏にして裏向きで入れます。
下に人物がくるようにしましょう。
お札についてですが、新札はNGです。
新しめの旧札か新札であれば、
一度折り目を付けてから入れましょう。
香典と一緒にお供え品を持参するケースも多かったですが、
最近は品物よりも、御供物料や御仏前として現金を包むのが、
一般的といえるでしょう。
法事での服装は、女性はフォーマルな黒スーツはOKです。
インナーも黒ならお葬式でも使えますよ。
数珠は使用していないときは左手に持ち、房を下にしましょう。
焼香の仕方は、右手の親指・人差し指・中指で持ち、
額まで上げて香炉の上に落とします。
法事後の食事をしない場合は、
事前に施主に連絡を入れておくのがマナーです。
お葬式と同じく、法事にも細かいマナーがあります。
不安に思ったら周囲の人に聞いてみることも、
一つの方法です。