法事は家族や親族を中心に、亡くなられた方の供養を行う仏教の儀式です。
お葬式後の四十九日法要から始まり、
一周忌、三回忌、と続いていきます。
故人の命日付近に節目として行われますが、
いつまで行うべきなのでしょうか。
忌明け法要の四十九日が過ぎてから、
年忌法要と呼ばれる法要が、節目の年に行われていきます。
年忌法要は、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌、
となります。
しかし年忌法要は必ず最後まで行わなければならない、
と決まってはいません。
法事そのものを行うか、いつまで行うのか、といったことは、
故人のご家族が決めていきます。
また、宗派によって法要の弔い上げは異なります。
・真言宗 三十三回忌
・浄土真宗 三十三回忌
・曹洞宗 主に三十三回忌、または五十回忌
このように、三十三回忌を弔い上げとして法要を終了する場合が、
一般的とされています。
しかし、三十三回忌まで法要を続けるといったケースは少ないようですね。
三十三回忌が節目とされているには理由があります。
仏教の世界では、三十三回忌に個人の霊がご先祖様の仲間入りをする、
といわれています。
しかし、30年という年月が経っていれば、
家族の形が変化している場合がほとんどです。
そのため、最後の三十三回忌までは行わないケースが多くみられます。
三回忌や七回忌で終了するといった場合もあります。
また、住む地域やお寺によって、
法事に関する考えや習慣もさまざまです。
法要に関してはご家族だけではなく、
親族間で相談し合って進めると、スムーズに行えるでしょう。
法事のお返しの金額どうする?香典返しの金額は半返しが無難!
法事の際に香典をいただいたらお返しをしなければいけません。
亡くなった故人のために参列していただいたので、
感謝の気持ちを込めて、お礼の品をお渡しすることがマナーです。
法事のお返しの金額は、いただいた香典の半返しが一般的です。
しかし、地域によって1/3でも良いとされている場合もあります。
お返しにお悩みの場合は、地域の習慣に合わせるか、
一般的とされている半返しで大丈夫でしょう。
引き出物として品物を用意しておき、
当日香典をいただいた方にお返しを手渡します。
香典は故人との付き合い方によって金額も異なります。
付き合いが深いほど、多めの金額をいただくことが多いです。
いただいた金額に対して当日のお返しが足りない場合は、
後日改めてお礼をする、といった形でもいいでしょう。
半返しが一般的とされていますが、
法要後に食事の席を用意している場合は、
半分より少なめのお返しでも良いとされています。
お食事1人分+お返しの引き出物1人分と考えます。
そのため法要後に食事の席を設定している場合のお返しは、
2,000~4,000円ほどが相場とされています。
法事お返しのお菓子…クッキー&ケーキセットやおかき詰合せが人気!
法事を行う際には、参列してくれた方々に、
いただいた香典のお返しとして、手土産を用意するのがマナーです。
法事のお返しにふさわしいお菓子は、
どのようなものがあるのでしょうか。
また、選ぶ際の注意点なども気になりますよね。
まず、お菓子を選ぶ際の大きなポイントは、
日持ちするものかどうかです。
賞味期限が短い、生クリームなどを使用したケーキ、
生もののお菓子は基本的に避けましょう。
高級品であっても賞味期限が短いものはNGです。
法事のお返しとして、和菓子が選ばれることが多いですが、
最近では洋菓子を選ぶ方も多くなりつつあります。
ではどんなお菓子が人気かといいますと、
クッキーや日持ちがするケーキセット、もしくはおかきです。
焼き菓子は日持ちがするし、個装されたものから、
缶に入ったものなど種類もさまざまです。
ケーキセットになったものも人気ですね。
クッキーとバウムクーヘン、あるいはカステラなどが、
セットになっているものです。
それに、普段なかなか買わない、
ちょっとお高めのクッキーをいただくと嬉しいですよね。
そしておかきの詰め合わせも人気です。
おかきは個装されて食べやすく、日持ちもしますので、
お返しにもピッタリなんですよ。
このように最近では、和菓子だけでなく洋菓子も日持ちがするし、
食べやすいことから人気が出ています。
法事の料理に決まりってあるの?「法事で使う」と伝え慶事と区別を!
法要の後には、参列してくださった方に、
お食事を用意するのが一般的です。
そのため事前に料理を作って用意したり、
仕出しなどの手配をする必要があります。
そんな法事の料理には決まりがあるのでしょうか。
お葬式などでは肉や魚を避けるといった決まりがありますが、
四十九日を過ぎた法事では、通常の食事でも大丈夫です。
しかし、仕出し屋さんや飲食店に手配する際には、
「法事で使います。」と一言伝えて、慶事と区別することが大切です。
法事用と伝えておくことで、華やかな飾り付けをしないなど、
お店側も配慮してくれるでしょう。
では、どんなお料理が人気なのかといいますと、
仕出し弁当、懐石料理、お寿司、などです。
自宅で法事後に食事をする場合は、仕出し弁当やお寿司を取る、
といったケースが多くみられます。
和食レストランなどの個室を利用して食事をする、
というのであれば、懐石コース料理などが人気ですね。
法事をやってはいけない日はない?六曜を気にする人いれば友引など回避!
法事を行うには、まず日にちを決めなければいけません。
しかし、いつでもいいものなのか、
法事をやってはいけない日があるのかどうか、知りたいですよね。
仏滅や友引などは一般的にイメージが悪いものです。
では法事をやってはいけない日っていつなのでしょうか。
基本的に法事をやってはいけない日、
という決まりごとはありません。
大安や仏滅などが記載されているカレンダーってありますよね。
そこに書いてある、大安や仏滅などの言葉を『六曜』といいます。
この六曜には、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口、があります。
それぞれに意味があり、何か行事を行う際に影響を与えることがあります。
一般的に結婚式や引っ越しは大安が縁起いい、
などといわれているでしょう。
しかし法事は仏教なので六曜は関係がありません。
そのため、基本的にいつ行ってもいいと考えられています。
しかし、なかにはカレンダーに書かれている六曜を見て、
日にちを気にする人もいますよね。
もし、家族や親族に六曜を気にする人がいたのなら、
友引を回避することをおすすめします。
なぜ友引きを回避した方がいいのかといいますと、
友を凶事に引きつけてしまう、といった意味があるためです。
親しい人に不幸が起こってしまう、と考える人もいるので、
気になるのであれば友引は回避しましょう。
法事の日にちを決める際には、基本的に親族や参列してくれる方が、
集まりやすい日程を考えるのがベストといえます。
法事のお車代は5千~1万円を僧侶に渡す!タクシーなら実費負担を!
法事を行う際にはさまざまな手配が必要になります。
お参りをするために、お坊さんが来られますよね。
自宅や法事を行うお寺などに出向いてもらうことになりますので、
お車代を渡すことがマナーです。
お車代とは、お坊さんにお渡しする交通費のようなものです。
お坊さんは自家用車を運転して来られたり、
タクシーを使う場合もあります。
交通費はきっちり渡すのではなく、
足を運んでもらったことへの感謝の気持ちを込めた、
お車代としてお渡しします。
そのため、お車代の相場は5,000~10,000円となります。
タクシーの場合は、5,000~10,000円では足りない場合もありますので、
実費を負担しましょう。
お車代の渡し方にもマナーがあります。
まず、そのまま現金を渡してはいけません。
無地の白い封筒に包んで渡しましょう。
のし袋に入れるのかとお考えかもしれませんが、
無地の白い封筒でOKです。
郵便番号欄がないものを選びましょう。
お札の入れ方にも注意が必要です。
お札は表向きにし、絵が付いている方を、
封筒の入り口になるように入れましょう。
そしてお札は新札を使いましょう。
仏事なので古いお札をイメージするかもしれませんが、
それはNGです。
表に『お車代』と記載し、裏に施主の名前や住所、
包んだ金額を記入しましょう。
お車代はお坊さんに直接手渡ししてはいけません。
お帰りになる前タイミングで、袱紗(ふくさ)に包んで渡すか、
お盆に乗せて渡すのがマナーとされています。
足を運んでもらったお礼を忘れずにお伝えくださいね。
また、お布施とお車代は一緒にせず、必ず別々にして渡しましょう。
法事のお茶出しマナー…来てすぐに説法される僧侶にお茶を出す!
法事のマナーについてはさまざまありますが、
お茶出しについてもマナーがあるので気をつけましょう。
自宅で法事を行う場合は、
お坊さんへお茶をお出ししなければいけませんよね。
しかしこの、お坊さんへのお茶出しのタイミングって迷いませんか。
いつ出せばいいのか分からない、といった方が案外多いんですよ。
まず、お坊さんが到着したら、
基本的にはすぐにお茶をお出ししましょう。
到着してすぐに説法されるという場合は、
その前にお茶をお出しするのがベストです。
お茶を飲んで一息ついてから、説法を始めてもらう…、
という流れですね。
なかには一度仏壇に手を合わせてから、
法衣に着替え、時間になったら読経をする、
というケースもあります。
そのように待ち時間がある場合は、
その間にお茶をお出しするのがベストといえるでしょう。
そして、お経を読み終わった後にもお茶をお出しします。
読経後すぐには帰らず、ご家族とお話しをしたり、
お布施や車代をお渡しするのが一般的です。
そのため、お経を読み終わった後のタイミングで、
再びお茶をお出しすると良いでしょう。
法事は忌引とならないので有給休暇を!急に言うとズル休みと思われる?
法事は自分の都合に合わせて行われるわけではありませんよね。
もし、会社の出勤日に法事の予定が入ってしまったら、
休暇を申請しなければいけません。
法事の場合は、忌引き休暇を取得することはできません。
忌引き休暇は、お葬式やお通夜のみに有効なので、
法事の場合は有給休暇を取得することになります。
法事の予定が決まったら、すぐに有給休暇の申請を行いましょう。
前日などあまりにもギリギリに申請すると、
ズル休みを疑われるかもしれません。
そうならないためにも、遅くても一週間くらい前までには、
上司や周りの同僚に伝えておきましょう。
伝える際は、故人との関係性などを、
はっきり伝えておいた方が休みやすいでしょう。
お休みするにあたって、仕事の面で、
上司や周囲の同僚に迷惑をお掛けするかもしれませんよね。
そのため、なるべく早めに有給の申請を伝えておけば、
職場の方々も助かることでしょう。
まとめ
法事は四十九日から始まり、ほとんどの場合、
三十三回忌が弔い上げとなっています。
三回忌や七回忌で終了するケースも多くみられます。
香典返しは一般的に半返しが相場です。
地域やお食事をするにあたって、金額が前後することもあります。
お返し用のお菓子はクッキーやケーキセット、
個装されたおかきなど、日持ちするものが人気です。
法事の料理に決まりはないですが、
仕出しなどの予約時に、法事用と一言伝えましょう。
法事をやってはいけない日は特にありません。
六曜を気にする場合は、友引を回避して行うと良いでしょう。
お坊さんへのお車代の相場は5,000~10,000円です。
タクシーの場合は実費分の負担をしましょう。
お坊さんが到着してからすぐにお茶をお出しするのがマナーです。
読経後も再度お茶をお出ししましょう。
法事は忌引き休暇ではなく、有給休暇になります。
早めに上司に伝えましょう。
法事の準備や手配などは、余裕を持って進めてくださいね。